フラフープブームを消し去ったとんでもない事故とは

昭和33(1958)年10月から、ほんの2か月たらずの間だけブームになった遊びがある。「フラフープ」である。


フラフープは、前年にオーストラリアで考案された遊びで、直径90センチぼどの輪を、腰でタイミングをとりながらクルクルまわすもの。アメリカに渡って大流行した後、日本でも、アメリカのフラフープーブームが報道され、発売を開始した。


最初に発売したデパートでは、発売日、開店から2時間で1000本すべてが売り切れ。すさまじいブームとなり、整理券を発行する店まであらわれるほどだった。


それはどのブームだったのに、フラフープは、11月下旬には早くも下火になり、12月にはまったく売れなくなった。下火になったきっかけば、フラフープに熱中したあまりの事故が起きたからである。


「フラフープ遊びで少年、胃が破れる」


11月のある日、新聞にそんな記事が載り、その後も熱中しすぎたあまりに胃が破れたり、腸捻転を起こすという事故が相次いだ。また、輪の継ぎ目のビニールテープがはずれて目を突くという事故も起こった。


それで、フラフープ遊びに制限をくわえる小学校などもあらわれ、ブームはたちまちのうちに去っていったのだった。