うつ病とまわりの協力の関係

うつ病に周りの人の協力が必要かというと、もちろん、必要でしょう。でも、協力以上に必要なのは、周りの人の理解です。

 

うつ病になってしまうと、様々なことが以前とは違ってしまいます。例えば、有能だった人が失敗ばかりしてしまうようになったり、明るかった人が無愛想になったりするでしょう。ですが、それはうつ病のせいであり、本人に非はないのです。

 

また、うつ病の人は自殺願望を持ったり、自殺願望など無いのに無意識に電車に飛び込んでしまったりすることがあるので、あまりにも様子がおかしい時には気をつけてあげるなどの配慮は必要になります。でも、他にできることはありません。むしろ、何もしない方がいいのです。

 

相手から話し掛けてきたら話を聞くだけで十分です。実際、うつ状態の時には話をするのも億劫で大変なのです。「『がんばれ』は禁句」などとよくいいますが、うつの人に対して何かをしなければと考えることが間違っているのです。無理に声をかけたり励まさない、気分転換をさせようとしない、相手が求めなければ関わらないのが一番望まれていることです。うつ病の人に迷惑をかけられることもあるかもしれません。

 

でも、本人が一番、自分を責めており、つらい思いをしているのです。できれば、うつ病の人を責めず、励まさず、回復するのを気長に待ってあげてください。とはいえ、中には誰か(主に恋人)に対する依存心が極端に強くなるケースもあります。そのような場合は、あまり深入りしないようにするのがお互いのためになるでしょう。