クジラがしおをふくのはなぜ
海にすむ動物は、貝類や甲殻類(エビ、力士、頭足類(イ力、タコ)、それに魚類など、ほとんどのものが海水を呼吸してそのなかの酸素を取り入れています。
しかし、クジラやイルカは、私たち人類と同様、哺乳類に属しているので、海面で空気を呼吸しなければなりません。つまり、えら呼吸ではなく肺呼吸を行うわけです。
しおをよく”という現象を、体内から海水をよき出すかのようにいう人もいますが、それは誤りです。
クジラがしおをふくのは、・吸った空気を鼻孔(背中前方にある)から吐き出すときに、背中にたまっている海水が、いっしょに誘い上げられることから起きる現象なのです。
クジラの背中にある鼻孔は、海中に潜るときは、きちんとしまるようになっています。つまり、呼吸をとめて潜るわけです。そして、息が苦しくなると、海面に出てきて空気を吐き出すのです。
背中に海水かたよっている、と述べましたが、それはクジラの鼻孔が少しくぼんだようになっているためです。しかし、その量は、そんなに多いものではありません。
それでは、なぜあんなにも、多量の水を噴き上げたようにいく見えるのでしょうか。
それは、クジラが人問とおなじ定温動物であるからです。
定温動物とは、外気の唇さ寒さに関係なく、いつも決まった体温を保っている動物です。 クジラの体温は、常に三八度あります。そのため、海上の空気が冷たい場合、大きく呼吸をすると、吐いた息が白くなるわけです。
寒い朝、私たち・がパーツと息を吐くと、白く見えるのと同じことです。