「霧」と「もや」とはどう違う

「北緯四〇度、東経一五〇度付近の海上では濃い霧が発往付石おそれかおりますから、船舶は十分ご注意くださいI‐上 天気予報では霧やもやの予報は、たいへん重要な要素となります。

おそらくコ大気予報を最も真剣に聞いているのは、船の乗組員でしょう。濃霧の発生は

海難事故につながりかねないからです。

 

私たちの日常の会話では、霧ともやを区別して使い分けることはほとんどありません。

 

「朝もやの街路」とか「夜霧の波止場」とか、どちらかといえば文学的な修辞となっているようです。

 

でも、気象学では違います。

きちん二両者を区別する基準が設けられています。その区別は、視界の妨げられる度合によっているのです。

 

気象学上の「霧」とは、水平視程が一キロメートル未満、つまり一手口以上の遠くの物が見分けられなくなる状態をさしています。

「もや」は、水平視程一キロメートル以上のものをいいます。また、水平視程二〇〇メートル未満(海上では五〇〇メートル未満)の霧を「濃霧」といいます。

 

「霧」も「もや」も、大気中に肉眼では見えない上うな水滴が浮遊して視界を妨げる現象ですが、それの濃いものが「霧」、薄いものが「もや」であるといってよいでしょう。

 

また、「煙霧」(スモッグ)とは、大気中に乾いた粒子(煙の位子など)が浮遊して視界を妨げる現象と規定されています。

 

水平視程はニキロ末満です。

 

 

ちなみに、「あられ」と「ひょう」の区別をご紹介しましょう。

 

両者は氷の粒の大きさで区別し、「あられ」の直径は五ミリ以下、それ以ヒのものが「ひょう」です。

また、「あられ」は「雪あられ」(白色不透明のもの)と「氷あられ」(透明もしくは半透明のもの)に区分されます。